甘粛省は中華民族と中華文明の重要な発祥地であり、古シルクロードが東西を貫通し1600キロメートル以上伸びています。甘粛は多様な自然生態とユニークな地形が特徴で、7ヵ所の世界文化遺産を有しています。張掖丹霞、黄河石林、敦煌の月牙泉など、数多くの世界的な自然奇観は、国内外にその名を知られています。「中国文明の発祥地、自然奇観の博物館、民族風俗の展示場、質の高い観光目的地」として、世界中の観光客に賞賛されています。
鳴沙山月牙泉(砂漠の中の涸れない泉)
甘粛省の27,000点以上の無形文化財プロジェクトのうち、3点がユネスコ無形文化遺産傑作リストに選ばれ、83点が国レベルの代表プロジェクトと発表されています。チベットの鷹笛演奏技術、花児会、龍頭琴演奏と歌、敦煌舞楽、鍋荘舞、コウドウ派武術、甘南チベット民謡、多地舞、民族衣装、皮影戲、切り紙細工など、ジャンル多様の無形文化財はこの地の豊かで多彩な民族文化の集中表現です。
● 鍋荘舞
鍋荘舞はチベット三大民俗舞踊の一つで、チベット語では「輪舞」を意味し、チベットの人々が伝統的な民族祭や家族の集まりで踊るもので、人々の自然に対する賞賛と感謝、より良い生活への賞賛と切望を表現しています。
● 皮影
皮影というのはロバやウシの皮で作った影絵用の人形で、中国で2000年以上の歴史があり、照明や太陽の光を借りて演じられる芝居のことを言います。慶陽の皮影は古典的で精巧に彫られて、細部に至るまで古代中国文化をシンボライズしています。芝居も勿論素晴らしいが、一点一点の影絵自体が優れた芸術作品であります。
● 敦煌舞踊
敦煌の莫高窟から大量の古代舞踊資料が発見され、中国の芸術家が壁画の中の楽舞芸術を蘇らせることによって、敦煌舞踊を復活させました。甘粛省の敦煌舞踊は80以上の国と地域で上演され、広く賞賛され愛されています。
● コウドウ派武術
コウドウ派武術は少林、武当、峨眉、崑崙と並ぶ中国五大武術源流の一つです。「趺坐して静を習得し、静で動を制する」という信条を守り、長い修行の末、強い体を作ります。この流派の特徴の一つは「奇兵」を使うことです。形は様々で、精巧で小さく持ち運びに便利のため、不意打ちで敵を倒すことに長じています。
● 切り紙細工
切り紙細工は甘粛省東部の黄土高原に根ざし、長い歴史を持つ伝統的な民俗芸術活動であり、中国で最も古い民俗芸術の一つです。その特徴は伝承の幅が広く、感情をさりげなく表現し、日常生活にも実用的で、優れた人文・歴史的価値を持っています。また、原始トーテムのデザインを継承し、中国最古の文字と芸術記号、陰陽五行の哲学をそのまま伝わり、現地の人々の日常生活の一部になっています。
● ユグル族の服飾
ユグル族は甘粛省にのみ居住する民族で、文字を持たず、言語のみが伝承されています。ユグル族は代々畜産業に従事し、畜産業の特徴を生かした服飾文化を発展させてきました。その民族衣装は古代の祖先の特徴を受け継ぎ、他の民族の特徴を吸収して、今日のユグルの独特な衣装が形成されました。
● 夜光杯
夜光杯とは、翡翠から彫られた珍しい酒器のことです。酒を入れ月明かりの下に置くと杯が輝くことから、この名がつきました。3,000年以上の歴史があります。
●臨夏花児
甘粛省の多くの民族に親しまれている民謡で、草原では牧夫が、畑では女性が、川では筏師が歌い、高く、大きく、心揺さぶる澄んだ音が特徴的です。 「花児会」は現存する世界最大級の民謡の祭典の一つです。
● チベットタンカ
タンカは構図が特徴的で、現実の時間や空間にとらわれず、小さなフォーマットでも広い領域が表現できるのです。デフォルメした山や岩、瑞雲や花などのモチーフを巧みに使い、複雑な内容を自然に分割し、独立した、かつまとまったストーリーイメージを形成し、斬新で趣があり作品性が高いです。画材の顔料は主に鉱物と金銀絹糸などが使われています。独特の民族性と強い宗教色を持つタンカは、チベットの民俗学や宗教美術の研究において、非常に高い参考価値を示しています。
● 敦煌曲子戯
敦煌曲子戯は500年前民謡から生まれた甘粛省敦煌市特有の伝統的な歌劇の一つで、舞台公演と屋台歌唱の2つの形態があります。テーマの幅は広く、神話や歴史伝説、社会生活や風習・民俗を反映しています。
● 蘭州太平鼓
蘭州太平鼓は北西部の風情を力強く主張する漢民族の太鼓踊りで、太平を慶賀する意を表現しています。安塞の腰鼓、威風の鑼鼓、開封の盤鼓、鳳陽の花鼓と合わせて「中国五大太鼓踊り」と称されています。
甘粛へようこそ。