2023歓楽春節『無形文化遺産と楽しむ春節』
2023-01-27芸術家のコミュニティー【798芸術区】
2023-08-092023年5月20日から25日まで、中華人民共和国文化と観光部主催、中国対外文化交流協会、中華人民共和国駐大阪総領事館、中国駐大阪観光代表処、河南省文化観光庁、開封市人民政府共催、日本文化庁後援の「茶和天下・無形文化遺産の共有」をテーマとした「茶のハーモニ―・宋の風雅に出逢う旅」没入型アート展(中国語イベント名《茶和天下》雅集)が、大阪中之島美術館にて開催されました。
薛剣中国駐大阪総領事
薛剣総領事は開幕式冒頭の主催者挨拶で、「お茶の文化は、中日両国の文化交流において重要な役割を担っている。 本日、河南省からのパフォーマンスチームの演出を通じて、国境を越え、歴史を超えて、宋の時代の点茶文化の魅力を体験していただきたい。今年は日中平和友好条約締結45周年であり、5日間の没入型アート展が中日両国民の友情を深め、中日文化交流を促進し、より多くの日本の友人たちに茶文化や中国を理解してもらうことを望んでいる」と述べました。
大阪中之島美術館菅谷富夫館長
大阪中之島美術館の菅谷富夫館長は、中国の宋の文化が日本の近世文化に与えた影響をたどりながら、このイベントを通じて宋の時代に「浸り」、日中共通の文化の魅力を感じてほしいと挨拶されました。
また、開封文化広電観旅遊局の魏培仕局長は、開封の文化観光についてプレゼンテーションを行いました。 開封は開放的で寛容な都市であり、今回のイベントを通じて、日本の文化・観光業界の友人と手を携え、オープン的で協力的な文化観光交流プラットフォームを作ることを希望すると表明しました。
没入体験型イベントである本展で行動体験文化の担い手を務める「香、茶、花、書画」や詞、音楽、磁器、文房具、漆器、木工芸など無形文化遺産の技芸の数々は、すべて宋代に由来するものです。
展示スペースは、周囲を垂直面の緞帳で囲み、深い文化的雰囲気を演出しています。緞帳には、宋の徽宗皇帝趙佶が「大観茶論」で言及した「七湯点茶法」というお茶を点てる7つの手順が、徽宗皇帝独創の「痩金体」の書体で書かれています。ほかにも、南宋の画家・馬遠の『水図巻・黄河逆流』が描かれた絨毯や、宋徽宗『聴琴図』の場景を再現した七弦琴のエリアなど、会場全体でクリエイティブな没入感を演出しています。
このような総合芸術的な場景の中で、宋代の点茶法と茶のハーモニーを表現した舞踏・七弦琴の演奏や歌唱、詩作鑑賞などで構成した中国古典茶文化の一場面を披露することにより、多角的に宋代の美学あふれる生活の風雅とその知恵が堪能できるように工夫したのです。
宋徽宗の『大観茶論』から復元した「七湯点茶法」でお茶を点てる様子を興味深く見学されるご来賓たち
当アート展は、「中国の伝統製茶技術とその関連風習」のユネスコ無形文化遺産代表リストへの正式な登録を記念して、「国際お茶の日」である5月21日を迎え、中華人民共和国文化と観光部が世界41カ国で開催する「茶和天下」・雅集(風雅な集いの意味)シリーズの一環として行われたものです。期間中、日本抹茶道の方達を始め、関西地区の国・県立美術館関係者、中国茶愛好家、一般市民など、延べ1000名ほど来場され、茶道の見学や交流を行いました。