新疆ウイグル自治区は中国の西北部にあり、カザフスタン、キルギスなど八つの国と国境を接する。面積約166万平方㌔。中国の国土の約6分の1と、広大な領域を占める。アルタイ、天山、クンルンの三つの山脈が自治区を横切り、ジュンガル、タリムの二つの盆地が間にはさまる形は新疆の「疆」の字の右半分のようだといわれる。
古代シルクロードは北(天山北路)、中(天山南路)、南(西域南道)と三つのルートに分かれて自治区内を通り抜け、沿道には数えきれないほどの史跡がある。
区都のウルムチは天山の北麓にある新疆の最大都市。
郊外の「新疆天山」は2013年、世界自然遺産に登録された。雄大な山脈群で、ボゴダ、バインブルクなど四つの自然保護区で構成される。そのうちの一つボゴダ地区の天池はボゴダ峰の中腹にある湖で、万年雪をいただく周囲の山と湖の景色が美しい。中国のスイスとの異名もある。
トルファンはシルクロード有数の観光都市。新疆東部の山間盆地にあり、真夏の気温は40度以上となることから「火洲」とも呼ばれる。玄奘三蔵が経典を得るため西に向かう途中、仏教の講義をしたという高昌国の城郭都市、高昌故城と、戦国の末期から元代の旧都市の遺跡、交河故城は世界遺産「シルクロード:長安―天山回廊の交易路網」の構成資産だ。クチャは天山の南麓にあり、新疆最大の烽火台跡、クズルガハ烽火台や、キジル石窟、スバシ仏寺遺跡といった世界遺産「シルクロード」を構成する三つの史跡がある。「シルクロード」を構成する三つの史跡がある。
カシュガルはシルクロードの天山南路と西域南道の接点に位置する新疆西部の政治、経済の中心。イスラム教の古代建築物で中国最大のモスク、アイティガルモスク、新疆最大の農村貿易集散地、大バザールなどの見どころがある。
ジムサル県の北庭故城遺跡と合わせて、自治区内の世界遺産「シルクロード」の構成資産は合計六つ。