雲南省は中国大陸南部に位置し、ベトナム、ラオス、ミャンマーの東南アジア諸国と国境を接する。カルスト地形に代表されるダイナミックな自然や少数民族の多彩な文化が魅力だ。
省都の昆明から100㌔にある「石林」は、貴州省の茘波(れいは)、重慶市の武隆とともに「中国南方カルスト」の構成要素として2007年、ユネスコの世界自然遺産に登録された。今からおよそ2億年前、地殻変動で海底が隆起。地表に現れた石灰岩が長年の雨風の浸食で削られ、特異な地形が形成された。さまざまな形の石柱が林立し、その姿は「天下一の奇観」とうたわれる。
省北西部のシャングリラと呼ばれる一帯は手付かずの自然が残る。金砂江(長江)、瀾滄江(メコン川)、怒江(サルウィン川)の、青海・チベット高原を源とする三つの大河が6千㍍級の険しい山脈と並行して遠く海へと流れる。この「三江併流」一帯は万年氷河、丹霞(たんか)など多彩な地形を併せ持ち、2003年、ユネスコの世界自然遺産に登録された。