山東省は中国の沿海部に位置し、黄河の下流にあります。渤海と黄海に山東半島が突き出し、その付け根にある青島はビールの生産で有名です。儒教の創始者である孔子の故郷として知られる曲阜には、孔子関連の史跡があり、世界遺産に登録されています。
孔子関連の史跡には、孔子とその末裔をまつった孔子廟、その墓所の孔林、そして邸宅の孔府があります。これらを総称して「三孔」と呼ばれています。アジアには2,000以上の孔子廟が存在すると言われていますが、その中でも最も古く、典型的な形式を有するとされています。
山東省のもう一つの世界遺産である「泰山」は、秦の始皇帝や前漢の武帝ら、歴代の皇帝が天地をまつる儀式「封禅」を行ったとされる神聖な山です。道教の聖地であり、同様に聖地とされる恒山(山西省)、嵩山(河南省)、華山(陝西省)、衡山(湖南省)とともに「五岳」と称されますが、その中でも最も重要な場所とされています。泰山は1987年に世界複合遺産に登録されています。