北京故宮、または紫禁城と呼ばれます。紫禁城は中国近代500年以来の最高権力の中心であり、庭園景観と家具や工芸品を収めた9000室の部屋がある巨大な建築群で、明・清時代における中国文明の極めて貴重な歴史の証拠となっています。
明朝の永楽4年(1406年)から14年かけて完成され、24人の皇帝がここで即位し政治を行いました。総面積は78万㎡であり、現存する最大規模かつ保存状態の良い木造建築群です。
建物は赤い壁ときらびやかに輝く黄色の琉璃瓦で統一され、中国の封建的な礼式を現しています。
城の敷地は長方形を呈し、各方向に門を1か所ずつ配置し、城壁の四隅には見張りや警戒のために櫓が建てられました。城の外周は高さ10mの城壁と幅52mの広い堀に囲まれています。
城内は中央の宮殿を中心に東西に展開しています。
南は皇帝の執政と外交の場であり、太和殿、中和殿、保和殿の三つの正殿が並んでいます。
なかでも太和殿は最も象徴性が高い重要な宮殿で、皇帝の即位、婚礼などはすべてここで行われました。
北は皇帝と皇后の他、妃や女官が居住するプライベートな場所であり、祭祀と宗教活動および日常生活が行われました。乾清宮、交泰殿、坤寧宮などがあります。
瀋陽故宮は遼寧省瀋陽市に位置し、わずかに残る中国少数民族の地方政権の宮殿であり、古建築が114軒ほど現存しています。瀋陽故宮は満族が漢、蒙古、チベットなどの民族建築技術と芸術を、満族の社会制度、生活様式、審美観に融合して造られたものであります。