ラサはチベット自治区の首府であり、街そのものがチベット仏教、ラマ教の聖地とされています。その象徴的なものがチベット古典建築の最高峰である「ポタラ宮」で、7世紀にソンツェンガンポ王が建造しました。標高3700m余りの紅山の斜面から山頂にかけてそびえ、敷地面積41万㎡、最も大きな建物は13階建て高さ115mというスケールの大きなチベット様式の宮殿でした。白壁の白宮は政治や生活の場、赤い壁の紅宮には金箔におおわれた8つの歴代ダライ・ラマ霊廟があり、ミイラも安置されています。宮殿内部は様々な彫刻、極彩色の壁画で飾られ、チベット仏教総本山である「ポタラ宮」には、現在でも中国各地から巡礼者が集まっています。
大昭寺はポタラ宮から車で約10分、旧市街地の中心にあります。設立のきっかけは、7世紀ソンツェン・ガンポ王の元に嫁いだネパールのティツン王女と唐王朝の文成公主がそれぞれ故郷から仏像や仏教経典などをチベットに持ち込んだことです。そこから仏教が導入され、次第に広がっていきました。チューメといわれるバター灯が照らし出す本堂の最も奥、釈迦堂には本尊である黄金の釈迦牟尼像が安置されています。
「宝物の園」という意味のノルブリンカは面積が36万㎡あり、ダライ・ラマの夏(チベット暦4月~9月)の離宮です。7世の時代、1740年代から造園が始まり、1954年には14世の「永遠に変わることのない宮殿」を意味するタクテン・ポタンが完成しました。殿堂には精美な壁画が描かれ、数多くの貴重な文化財や典籍が収蔵されています。