第44回世界遺産委員会拡大会合で、2021年7月25日に中国政府推薦の「泉州:宋元中国の海洋商業貿易センター」が審議され、「世界遺産リスト」への登録が決定されました。これにより、中国の世界遺産は56カ所となります。評価基準は、「特定の歴史において、独特かつ優れた港町の空間が反映されている」と、「それに盛り込まれている22の内容は、社会構造や行政制度、交通、生産、ビジネスをはじめとする多くの重要な文化的要素を網羅している」という2点でした。また、泉州の役割については、「10世紀から14世紀にかけて勃興し、東アジアと東南アジアの貿易ネットワークにおける海上のターミナルとして、地域の経済・文化の発展に大きく貢献した」と評価されました。
福建省の泉州は「北の西安、南の泉州」と言われるほど、歴史と文化で有名な都市です。かつては「海のシルクロード」の起点となり、東西の文化が溶け合って繁栄してきました。また、古代から多数の宗教が共存し、さまざまな宗教遺跡が歴史的および芸術的価値が非常に高い独特の文化的景観を作り出し、世界中からの注目を集めています。