左江花山の岩絵の文化的景観は、中国南部、ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区に位置しています。本遺産は、紀元前5世紀から2世紀にかけてチワン族の祖先である駱越人が描いたもので、チワン族自治区の左江とその支流である明江、両岸の断崖に描かれています。現在、周辺流域では、89カ所、300組が発見されており、絵の総数は5000点以上となっています。岩絵が色鮮やかな岩絵群は、ほとんどが人物像で、銅鼓を持ち踊る人々や儀式などの様子が描かれており、当時の人々の営みを窺い知ることができる貴重な手がかりとなっています。現地の人々は、これらの貴重な岩絵を保護、保全するために力を入れています。「遺産を守り、神のように大切にする」「山の草木を伐採しない」「岩絵を傷つけない」などと書かれた掲示板を設置し、観光客にも注意を呼び掛けています。現地の人々が大切にする遺産を傷つけることなく、世界の人々の遺産という認識をもって、現地に足を運んでもらいたいと思います。