ひとつの川が古代と現代を結び、ひとつの文化が数千年にわたり息づいています。大運河(浙江省区間)は、数千年続く南方の水運の拠点です。京杭大運河の「杭」という漢字は、浙江省杭州市を指します。 浙東大運河は京杭大運河の延長線で、杭州から出発し、紹興、寧波を経て、寧波の三江口で海に入ります。浙東大運河は陸のシルクロードと海のシルクロードをつなぐ重要な運河でもあり、また、中国と諸外国との文化交流の道でもあります。今日、浙江省を流れる大運河は、その奥深い歴史遺産に基づいて新たな活力に満ち溢れています。川辺の民家からイノベーション都市に、古代の渡船場からアートを活用した街づくりに、アジア競技大会競技場が川沿いに立ち上がり、産業遺跡が活性化され、運河沿いのエリアは緑のエコロジー、活力、開放感のある現代的な生活を提示しています。
杭州は浙江省の省都で、経済、文化、科学、教育の中心地であり、長江デルタの中心地、重要な観光都市、国家歴史文化都市の一つです。 杭州は、長江デルタの南翼、杭州湾の西端、京杭大運河の南端に位置し、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの拡張交差点、オンラインシルクロード “戦略拠点都市 “となっています。
運河沿いの民家
杭州の京杭大運河の終点を示す拱宸(ゴンチェン)橋。杭州の古橋の中で最も高く、長い石造アーチ橋で、長さは98メートル、高さは16メートル
運河の夕焼け
昼の運河。京杭大運河は、世界で最も古く、最も長い人工運河。 全長1,700kmを超えるこの運河は、中国の南北間の経済・文化の発展や交流、特に運河沿いの地域の工業や農業の発展に重要な役割を担っています。
嘉興市は浙江省の北東部に位置し、長江デルタ地帯の杭州平野の中心地であります。 東は海、南は銭塘江、北は太湖、西は天目山に囲まれています。 大運河はこの地域を横断して流れて行きます。 地域全体は杭州湾によって寧波、紹興、舟山と隔てられており、道路、鉄道、水路のネットワークによってつながっています。
嘉興三塔は大運河の重要な「航路標識」であり、嘉興古城の主要なシンボルの一つで、千年にわたる運河の歴史を見守ってきました
古城の新たな表情
運河長虹橋
落帆亭は、古代の杉青閘の近くにある庭園です。船が帆を降ろして水門をくぐる光景にちなんで名づけられました
紹興は長江デルタの南端に位置し、杭州蕭山国際空港からわずか30km、有名な北侖港から120km、上海から230kmのところにあります。 熱帯・亜熱帯の湿潤モンスーン気候に属しし、中国南部では有名な水郷地帯です。名士輩出の地で、2500年以上の長い歴史と豊かな文化をもっており、「壁のない博物館」と称されています。「東アジア文化都市2021」に選定されました。
安昌古鎮:千年の歴史を持つ有名な江南水郷の古城。 町には、川沿いに数キロにわたって続く古い市場、趣のある店や家、特徴ある工房、巧みに配置されて味わいがあるコテジ、曲がりくねった深い石の路地、古くて小さな石橋などがあります。
陸遊が分かれた妻と再会した沈園
紹興市は黄酒(穀物醸造酒)の名産地です。日本では紹興酒とも言います。
湖州は2,300年以上の歴史を持つ国家歴史文化名城であり、太湖地区で唯一湖の名を冠した江南の都市です。 湖州は長江デルタ地帯の中心に位置し、杭州から75km、上海から130km、南京から220kmの距離にあります。 湖州は一流の鉄道、高速道路、内陸水運の中継港を持ち、交通が非常に便利で、 人文・文化が豊かなところです。
大運河(南潯セクション)の頔塘故道 その一。頔塘はもともと荻塘という名前でした。 池のほとりに葦が多いことから、そう呼ばれるようになったのです。 唐の貞元8年(792年)、「于頔」という湖州の刺史が大規模な工事を行い、民衆はその高徳に感激して「荻」という字を「頔」に変え、「迪塘」と呼ばれるようになったのだそうです。
大運河(南潯セクション)の頔塘故道 その二
大運河(南潯セクション)の頔塘故道 その三