中国の地図で見ると、山西省は南北に横たわる木の葉のような形をしています。東側には雄大な太行山脈がそびえ立ち、黄土高原と華北平原を分けています。西側には、黄土高原を南北に貫く晋陜大峡谷があり、黄河が怒濤の勢いで駆け下ります。これらの山や川が、この素晴らしい大地を作り上げ、偉大な中国文明を育んできたのです。
【第一章】黄河・長城・太行山脈
黄河、万里の長城、太行山脈は、中国文明の象徴であり、「美しい中国」シンボルマークです。山西省には、中国の数千年にわたる歴史を運ぶ母なる大河の黄河が流れています。また、万里の長城の主要な部分が貫いています。一方で、太行山脈は中華民族の魂と背骨を表しています。この古い地域が新しい思想と混じり合うとき、中国5千年の文明はかつてない活力を発揮することでしょう。
黄河 老牛湾
壺口瀑布
雁門関
雪が積もる雁門関
太行山頂
太行山鳳凰谷
【第二章】 無形文化財の伝承
山西省は中国古代文明の発祥地の一つであり、豊かな史跡と深遠な伝統文化を誇っています。山西省にある無数の無形文化遺産は、この土地で何世代にもわたって働いてきた人々の知恵を表しています。
トラの布人形「黎侯虎」は、山西省黎城県の伝統工芸品です。その発祥は虎が民間のトーテムであった殷周時代にさかのぼり、「中国最初の虎」とも呼ばれています。山西省の「面塑(しんこ細工)」は、小麦粉、新粉といった原料を水に入れて、かき混ぜたあとにできた練り粉を使って様々な形に練り上げ、蒸し焼きにしたものです。推光漆器は山西省平遥の伝統工芸品です。「上党堆錦」は絹と錦で伝統絵画を表現する伝統手芸で、中国で「立体的な国画」とも言われています。
面塑(しんこ細工)
黎侯虎
平定砂器
上党堆錦
推光漆器
【第三章】 世界遺産
山西省には3つの世界遺産があります。西周時代に初めて建設された平遥古城は、2700年以上の歴史があります。雲岡石窟は、この地に都があった北魏が残した遺跡です。五台山には北魏以降の各時代に残された数多くの史跡があり、チベット仏教、中国仏教、民俗文化の精髄が集約されています。
平遥古城
雲崗石窟
五台山
また、山西省は中国古代建築の博物館のようなもので、廟、民家、古都、万里の長城、舞台、橋など、かつての建築物がすべて揃っています。
懸空寺