「武当山」は道教の山であり、武当拳術の発祥の地でもあります。湖北省北西部の十堰市に位置し、総面積312㎢を占めています。周囲が400kmと広大なこの山は72峰と36の岩、9つの泉などを擁する自然の景勝地です。山頂までの70kmの間に8宮、36庵72廟、39橋など膨大な元・明時代の道教建築群が、絶妙なバランスで配置されています。その中でとりわけ見応えのあるものが「紫霄殿」と「金殿」でした。
「紫霄殿」は1413年に建造され、そのままに近い状態で残っている建物です。五間間口で緑の瓦、赤く塗られた壁、二重のひさしと、華麗で荘厳な雰囲気を持っています。「金殿」は、海抜1621mの「天柱峰」の頂上にあって一見すると木造建築のような構造だが、瓦、垂木から梁、門にいたるまで、すべて銅を鋳造し、組み立てたものです。重さは80tを超えるという。明時代の職人技が光る武当山を代表する道教建築でした。またここからの日の出、夕景はまさに絶景です。
古建築のほかにも、武当山には7400 点以上の貴重な文物が残されており、「道教の文物倉庫」と呼ばれています。