フフシルはモンゴル語で「青い峰」を意味し、チベット語では「ホホシリ」と呼ばれます。青海省南西部からチベット自治区の北部にまたがる広大なエリアで、フフシルはチベット高原の一部に属し、世界で最も標高の高い位置にあり、広大な高地でもあります。ここは標高4500m以上の山地と草原が広がっており、平均気温が0度以下で、年間最低気温は-45度に達するほどです。ここは湖が集中しているエリアでもあり、気候的に独特な生態系が見られます。
この地で見られる植物種の3分の1以上と、草原に生息する哺乳類の60%が高原の固有種となっています。特にチベット高原だけに生息するチベットカモシカ(チルー)の移動ルートになっているのが特徴です。北のアルトゥン山脈からフフシルを経由して青海省南部まで移動するということもあり、高速道路や鉄道が敷かれている上に密猟者も出現することから、現在は国家自然保護区に登録され、パトロール活動が盛んです。