七千年前に河姆渡(かぼと)の人々が竹製品を使ったことが始まりとされ、中国人はそれ以来、竹と深い縁を結んできました。竹は中国では君子とみなされています。古代の人々は竹を愛し、竹は君子の徳になぞらえられ、竹を見ることは君子を見ることと同じだとさえ考えられていました。竹は中国において植物界の清流であり、その色は四季を通じて変わらず、その本数が増えれば空を覆うほどです。竹は観賞性と実用性を兼ね備えています。冬と春の竹は貴重な食材であり、中華の飲食文化を非常に豊かにしました。竹は優美であり、生活や労働の道具や芸術の素材として使われてきました。中国には「竹文化」と呼ばれるものがあります。それは中国人の衣食住行娯楽に浸透し、文学、音楽、絵画、宗教、民俗、園芸に影響を与えています。
空気は悠々とし、竹の音が広がります。「簫(しょう)はさまざまな長さの竹管で作られ、その音色は鳳凰の羽のように広がる」と言われます。箏、築、笙、はんなど、竹製の楽器は中国の伝統音楽のメロディーを豊かにしています。
「流れはさらさらと竹林を揺らし、その音が悠然と響く」。今回の展示を契機に、竹の世界に入り、東洋の美意識の中で竹の美しい側面を感じてみましょう。展示の終わりに、竹と共に暮らし、竹を命のように愛する「君子」がいます。この「竹の使者」は一体誰でしょうか?